
インドネシアでの罰則規定|警告書の取り扱い
インドネシアにおける一般的な社員への罰則は「警告書(第1〜第3段階)」と「解雇」です。
しかし、雇用創出法の施行により、この罰則付与のルールが変更されました。
昨今、就業規則や労働協約更新申請時に、労働省や地方事務局から規定の修正を指摘されるケースが急増しています。
インドネシア会社での罰則規定「警告書」とは
インドネシアの会社で罰則として定められる「警告書」とは、
労働者が就業規則や労働協約に違反する行為を行った場合に、雇用者側から発行される書面
です。
警告書には第1段階から第3段階までのレベルがあります。
発行された警告書の有効期間中に再度違反を行った場合には、次の段階の警告書が発行されます。
第3段階警告書有効期間中に再び違反を行った場合には解雇処分にすることができます。
各警告書の有効期限はその警告書の発行日から最長6か月として設定可能です。
※ただし、労働契約、就業規則または労働協約に別段の定めがある場合を除く(例:3か月等)。
雇用創出法による「警告書」ルールの変更点
インドネシアでは、雇用創出法改正前まで、警告書は第1段階から順番に発行する必要はなく、直接第2段階や第3段階、懲戒解雇をすることができていました。
つまり、上述の「発行された警告書の有効期間中に再度違反を行った場合には、次の段階の警告書が発行可能」という縛りがなかったのです。
(例)かつての警告書の運用(警告書有効期限が6か月で、第1段階警告書から7カ月後に再度違反を行った場合)
4月1日 第1段階警告書
11月1日 第2段階警告書
しかし現在の法規(2021年35号法令 雇用創出法)では、直接科すことができる罰則が以下の3つのみに制限されています。
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第1段階警告書
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最初で最後の警告書(旧・第3段階警告書とほぼ同義)
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差し迫った理由による解雇(旧・懲戒解雇と同義)
つまり、第2段階警告書は第1段階警告書に当たる違反を再発した場合のみ発行可能という運用に変わったのです。
(例)現在の警告書の運用(警告書有効期限が6か月で、第1段階警告書から7カ月後に再度違反を行った場合)
4月1日 第1段階警告書
11月1日 第1段階警告書 ※第2段階警告書は発行不可。
第2段階警告書を直接発行できないデメリット
雇用創出法に基づき第2段階警告書を直接科す旨を就業規則(又は/及び労働協約)から削除した場合、企業は以下のようなジレンマに直面します。
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第2段階警告書を規定から削除: 第2段階警告書に該当していた行為が「違反ではなくなった(やってもいい)」と誤解される。
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第2段階警告書に該当していた行為を第1段階に割り当てる: 「今までより軽い違反になった」と捉えられ、軽視されるリスクがある。
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第2段階警告書に該当していた行為を最初で最後の警告書に引き上げる: 「なぜ同じ違反なのに急に重い罰則になるのか」と社員の不満を招く。
単なる項目の移動や削除では、現場の混乱を招きかねません。
罰則規定は「会社の価値観」を伝えるメッセージ
違反規定は、問題が起きるたびに都度追加していく「ツギハギ状態」になりがちです。
会社の状況が変われば違反の状況も変わるため、バランスが悪くなっている就業規則は少なくありません。
これを機に、小手先の修正ではなく「違反規定の全体見直し」を行うことをお勧めします。
罰則規定は、会社が「何を大切にしているか」「絶対に守ってほしいルールは何か」を社員に伝える重要なコミュニケーションツールです。
自社の価値観に合わせて、すべての罰則の並べ替えと再構築を行ってみてはいかがでしょうか。
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