インドネシアの宗教大祭手当(THR)の計算方法|1年未満社員の比例計算

インドネシアTHR(宗教大祭手当/Tunjangan Hari Raya)は、宗教大祭前に従業員へ支給する手当であり、日系企業でも毎年対応が必要となる重要な労務実務です。

断食月に入ると、勤務時間や休憩時間の調整が必要になることがあります。会社によっては、休憩時間を短縮したり、始業時間を早めたりして、従業員が早めに帰宅できるように配慮することもあります。

また、断食明けの食事を一緒に取る機会を設けるなど、社内行事が増える時期でもあります。一方で、早朝に起床して日の出前の食事を取る生活になるため、睡眠不足が目立つこともあります。製造会社や物流会社では、安全面への配慮も重要になります。

この時期に社員が特に関心を持つのが、宗教大祭手当(THR)です。勤続期間が1年以上の社員については支給額が比較的明確ですが、勤続期間が1年未満の社員については、勤続期間に応じた比例計算が必要になります。

では、1年未満社員のTHRはどのように計算すればよいのでしょうか。

インドネシアTHRの計算式は法令で細かく定められているか

法規では、勤続期間1年未満の社員の宗教大祭手当は比例計算で支給するとされています。

ただし、基準日をどこに置くのか、月割りで計算するのか、日割りで計算するのかといった詳細な方法までは定められていません。そのため、各社で計算方法を定め、社員に周知しておく必要があります。

一般的には、就業規則や労働協約に記載しておくことが望ましいです。そのような規定がない場合でも、会社からの通告書などにより、宗教大祭手当の支給に関するルールを明確にしておくとよいでしょう。

また、法規上、宗教大祭手当の支給時期は大祭日の1週間前とされています。一方で、政府からは「できるだけ2週間前までに支給してほしい」といった趣旨の勧告が出されることもあります。

実務上このような対応を行うのであれば、会社として最初から「2週間前までに支給する」と定めておくことも一案です。

1年未満社員の比例計算と基準日の考え方

基準日は、宗教大祭日とするのが一般的です。

ただし、宗教大祭日は宗教省の判断により変更されることがあります。これは、宗教大祭日が月の満ち欠けの確認に基づいて決定されるためです。また、政府が定める祝日と、宗教上の判断による日付が異なる場合もあります。

宗教大祭日が途中で変更された場合や、祝日と一致しなくなった場合に慌てないよう、たとえば「断食開始日の30暦日後」など、会社として基準日の考え方を明確にしておくと安心です。

比例計算については、「満〇カ月」で計算する方法が一般的です。一方で、29日勤務した社員がゼロになってしまうのは不合理と考え、日割りで計算する会社もあります。いずれの方法でも、会社として明確に定めていれば問題ありません。

日割りで計算する場合は、1日ごとに支給額が変わるため、基準日の設定がより重要になります。月割りで計算する場合は、計算対象となる社員の範囲が比較的安定し、実務上のトラブルを抑えやすくなります。

いずれの方法を採用する場合でも、計算方法を詳細に定め、社員に周知しておくことが、円滑な支給につながります。

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