第13回労務相談室 有給休暇一斉取得日の変更

インドネシア政府は5月の断食明け連休に設定していた有給休暇一斉取得日を年末に移動させ11連休を設定していましたが、8月中旬や10月末の連休2週間後にコロナ新規感染者が激増するという経験を踏まえ、3日間の有給休暇一斉取得を取りやめ、2回の4連休に変更しました。当初の政府の設定通りですと12月24日から11連休という大型連休でしたので、すでに帰省や旅行を計画していた社員も少なからずいるのではないでしょうか。3日の有給休暇権利が社員に戻ることになり、12月末に有給休暇権利が無効になるような設定になっている会社の場合は有給休暇を取得する機会を失い、そのまま無効になってしまうことで社員側に不満が発生する可能性があります。早めの検討が各社に最適な対応を選択できる鍵ですので、もし政府がこの有給休暇一斉取得日を取りやめた場合の対応を考えてみましょう。

【有給休暇一斉取得日設定は義務ではない】

政府が毎年祝日と共に設定する有給休暇一斉取得日は民間企業に義務付けることはできません。そもそも社員の権利である有給休暇の取得に係る有給休暇一斉取得日は労使の合意をもとに設定するものです。ですから政府が当該有給休暇一斉取得日を取り消したとしても、操業状況が許すのであれば各社でそのまま引き続き一斉取得を実施することは違法ではありません。11連休は⾧すぎるけれど少しはいいのではないか、というのであればいくつかだけを選んだ り、一斉取得日をすべて設定しないという選択も可能です。ですから本当は政府の設定がどうかということではなく、各社で操業状況と社員の希望などを反映し、独自に設定することがあるべき姿です。まずこれを前提に今の設定をどうすべきかを分析することをお勧めします。すべての一斉取得を取りやめる場合は必要に応じ、5日の有給休暇権利の有効期限を調整することもご検討ください。買取は違法ですので、操業に影響少なく、社員も有効に使うことができる方法を検討すべきです。

【有給休暇取得推奨日】

一方で現在の感染状況を見ながら社員が「こんなに⾧い連休に何をしたらいいのか」と迷っているような場合には有給休暇取得推奨日というような、出勤もできるし有給休暇申請もしやすいという設定にしてみるというのはいかがでしょうか。突然取りやめて出勤を義務付けるとすでに計画などを持っている人達が困惑するからです。 いずれにしても変更がある場合は事前に労使で合意をしましょう。会社が変更を提案し、各社で納得できる労働者側である労働組合や社員代表等と合意の上発表することをお勧めします。有給休暇取得は社員の権利ですから、その調整には合意が必要です。

関連法規:2003年法律第13号第79条