
インドネシアでの会社合併|手続・期間・注意点
インドネシアでの「合併」手続きは、日本の手続きとは異なる点が多く、
さらに、事業ライセンスやビザの取り扱いなど注意点も多岐にわたるため、
事前の準備と正しい理解が不可欠です。
そこで本コラムでは、インドネシアでの「合併」の基本的なプロセスや注意点について解説します。
1. インドネシアでの「合併」とは?意味と目的
「合併」=複数の会社が一つに統合され、法人格が一本化される企業再編手続き
まず、インドネシアでの会社合併とは、複数の会社が一つに統合され、法人格が一本化される企業再編手続きを指します。
具体的には、当地会社法によって手続方法などが定められています。
なお、合併は主に以下のような目的で行われます。
- グループ会社の整理
持株構造の簡素化やガバナンスの強化など。 - 競争力強化
統合することで規模を拡大して市場シェアを獲得し、コスト削減を図る。 - 販売会社と製造会社の一本化
かつては、販売機能と製造機能を同一法人内で保有することがKBLI(事業ライセンス)上難しく、
販売会社と製造会社をそれぞれ別法人として設立するケースが一般的でした。
しかし現在では、例外はあるものの同一法人内で保有することが可能となっており、
複数法人に分かれている体制を1社に統合(合併)する動きが増えています。
2. 「吸収合併」と「新設合併」の違い
合併には「吸収合併」と「新設合併」の2種類が存在します。
合併の種類によって事業ライセンスの引継が可能か否かが異なるなど、留意点が異なります。
(※詳細は5. よくあるご質問(FAQ)にて)
| 種類 | 概要と特徴 |
| 吸収合併 |
A社とB社の合併を想定した場合、A社はB社に吸収されて消滅し、 |
| 新設合併 |
A社とB社が共に消滅し、新たにC社が設立されます。 |
3. インドネシアでの「合併」手続の流れ
一般的に、必要資料が揃ってから合併が法的に有効となるまで、平均して5ヶ月半程度の期間を要します。
また、手順5で決議書及び売買契約書にアポスティーユ認証を取得する場合は、追加で3週間程度必要となります。
| 手順 | 手続き内容 | 期間の目安 |
| 1 |
合併計画書作成 |
1カ月程度 |
| 2 |
合併計画承認決議、株主総会及び監査役会 |
10営業日程度 |
| 3 |
合併計画に係る新聞公告 |
30日間待機 |
| 4 |
合併決議に係る株主総会招集期間 |
16日間待機 |
| 5 |
合併決議書へのご署名 |
10営業日程度 |
| 6 |
公正証書化手続 |
6営業日程度 |
| 7 |
合併承認に係る法務省決定書発行 |
2営業日程度 |
| 8 |
各種アカウントの閉鎖 |
10~30営業日程度 |
4. スムーズな「合併」のためのポイント
必要資料、情報の準備に時間を要することも多いため、ゆとりを持ったスケジュールを組むことが大切です。
土地建物の名義変更に伴う譲渡税の「免税」申請
土地・建物の名義変更はBPN(国家土地庁)で行う必要があり、通常はBPHTB(取得税)およびPPHTB(譲渡税)の支払が発生します。
加えて、手続の過程で当局から追加書類の提出を求められるケースも多いです。
なお、税務上の一定要件を満たす場合(適格合併)、PPHTB(譲渡税)の免税申請が可能ですが、こちらも時間を要します。
5. よくあるご質問(FAQ)
Q. 合併に伴う社名変更と役員変更のタイミングは?
A. 合併決議と同じタイミングで社名変更と役員変更を行うことが可能です。
Q. 合併後、KBLI(事業ライセンス)は引継されるのか?
A. 基本的には引継ぎされます。
ただし、以下の場合には引き継がれないため、ご留意ください。
- 合併時に社名が変わる場合
新しい社名にて再度KBLIを取得・有効化する必要があります。
KBLIの種類によっては有効化に6~8カ月程度かかる場合もあり、操業停止期間が発生しないように配慮が必要です。 - 合併時に内資会社から外資会社に変わる場合
外資会社の方が条件が厳しいため、厳しい条件が課されることにご留意いただく必要があります。
6. インドネシアでの「合併」手続きの長期化・トラブルを防ぐために
前述の通り、インドネシアでの会社合併は法務省や投資調整庁(BKPM)などの複数機関が絡み、
完了までに約5ヶ月半もの期間を要します。
さらに、事業ライセンスの再取得やビザの切り替え、税務上の手続きにおいて、
現地特有のイレギュラーが発生することも珍しくありません。
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