第5回労務相談室 陽性患者発生時対応

収束どころか頻繁に記録を塗り替えていっているインドネシアの新規COVID-19感染者数。民間企業でのクラスターも見つかっているとの報道に心穏やかではいられません。「万が一自社の社員から陽性患者が見つかったら?」という不安が付きまといますが、では何をしなければならないのでしょうか。今回は陽性患者発生時の対策を規定と実例からみていってみましょう。

【陽性患者の行動パターン調査】

陽性患者が見つかったら、まだ状況がわかっていませんのでまずは会社全体を一度閉鎖します。実例からみると3日間が多いようです。その上で必要な連絡を関連業者に行うとともに、所在地管轄の保健地方事務局に報告することになります。そして何はともあれ消毒です。全社構内すべてを消毒しなければなりません。次に感染経路の調査と陽性患者の社内での行動パターンからみた濃厚接触者の割り出しです。全調査結果も保健地方事務局に報告します。それに基づき保健地方事務局がどこまでの閉鎖と検査を行うべきという判断を下すことになります。基本的に同じ場所でずっと作業する場合はその場所への行き来のある社員のPCR検査受診と当該社員の2週間の自宅待機が行われます。運悪くフォークリフト作業者で会社内をくまなく動きながら製品を移動させるような職務であった場合にはその数は増えていくと思われます。また会社がどれくらいの期間、どの場所を閉鎖すべきかという指示も受けることになります。自社独自で判断することは避け、あるがままの状況に則した保健地方事務局の判断に従うことをお勧めします。

【操業継続の鍵】

ある日突然全社的に2週間の会社の閉鎖を言い渡されてしまったら、これは会社の死活問題になりかねません。最も有効な方法は2週間の間全く当該者と会っていない人を作る工夫です。会わなければその人からは感染していないことを証明できます。通常行われるのは全く勤務が重ならないシフト制の適用です。会社を2グループに分け、半日や1日ごと、週ごとなどの出勤とするのです。現在ジャカルタ近郊では会社の操業は出勤率50%までと規定されていますので、きちんと出勤管理を行い、感染経路を断ち切ることが必要です。陽性患者本人でなくとも、本人と会った他の社員に会ってしまうとこれは感染経路が切れたことにはなりません。

ですから別のシフトの人とは絶対に会わない管理が必要になります。とはいえ言うは易く行うは難しです。書類をプリントしなければならない、誰かのサインが必要だ等々出社しないとできないことも発生します。けれどもできる限りの努力が閉鎖日数を減らすことになります。ゼロにはできなくとも、最後に会った日からさかのぼって計算すればいいわけですから、短縮は可能です。社員の健康と会社の存続の双方をバランスよく管理していきましょう。

関連法規:2020年保健大臣決定No.HK.01.07/MENKES/328/2020